オープンデータの各種マップタイルまとめ

 商用利用可能かつ登録不要のタイルのみをピックアップ。本当はベクトルタイルもまとめたい。

はじめに

 OpenStreetMap を代表として、無償でも利用できるマップタイルは種々存在しています。しかし、利用規約も少しずつ異なっていてややこしいので、今回は特に商用利用可能かつ登録不要のマップタイル(ラスタタイル)に限定してまとめてみました。

OpenStreetMap

 皆で地図を編集して、誰もが利用できる地図を作るプロジェクト「OpenStreetMap (OSM)」。関連したマップタイルについては、Raster tile providers にまとまっています。Tunderforest や Mapbox など OSM のデータを元に提供されるサービスも多いですが、以下では OSM 本家、HOT、CyclOSM、OpenTopoMap に絞ってまとめます。

OSM 本家

 OpenStreetMap 財団が提供しているマップタイル。サーバーの管理費は寄付金により成り立っています。スクリーンショットを含めたマップの公開、配布、改変が可能。商用/非商用問わず利用できますが、過度なサーバーアクセスが生じる場合は、利用がブロックされることもあります(参考)。ヘビーユースするなら、自前でサーバーを立てる必要があります。

図1. OpenStreetMap
© OpenStreetMap contributors
  • タイルURL:https://tile.openstreetmap.org/{z}/{x}/{y}.png(以前はサーバー指定が必要でしたが、不要になりました。)
  • ライセンス:以前はCC-BY-SA 2.0、現在はODbL1.0(配布時には著作権者の表示を要求し、改変した作品についても、元の著作権を継承する。参考1, 参考2)。基本的に OSM 一族のマップタイルなら、本家の出典を記載した方が良い。
  • クレジット:© OpenStreetMap contributors

Humanitarian map style

 OSM France のサーバー上で管理されているマップタイル。「HOT (Humanitarian OpenStreetMap Team)」とも呼ばれています。他にも openstreetmap.fr のタイル等が存在しますが、表記がフランス語なので、少々使いづらいかもしれません(参考)。

図2. Humanitarian map style
© OpenStreetMap contributors, Tiles Ⓒ HOT
  • タイルURL:https://{s}.tile.openstreetmap.fr/hot/{z}/{x}/{y}.png(a と b のタイルサーバーがある。サーバー a の場合、http://a.tile.openstreetmap.fr/ と指定する。)
  • ライセンス:CC0 1.0 (出典無しで、用途を問わず使用することができる。データそのものは OSM の著作権を継承している。参考
  • クレジット:© OpenStreetMap contributors, Tiles Ⓒ HOT

CyclOSM

 こちらも同じく OSM France のサーバー上で管理されているマップタイル。色によって道の種類が違います。青は自転車用、緑は歩行者と自転車用、茶色は歩行者用、深緑は農道、赤は危険な道、など。主にサイクリストの為につくられてきました(参考)。

図2. CyclOSM v0.6
Map data © OpenStreetMap contributors
  • タイルURL:https://{s}.tile-cyclosm.openstreetmap.fr/cyclosm/{z}/{x}/{y}.png(a,b,c のタイルサーバーがある。サーバー a の場合、http://a.tile-cyclosm.openstreetmap.fr/ と指定)
  • ライセンス:CC-BY-SA 2.0(複製したり、再配布したりできる。データそのものは OSM の著作権を継承している。参考
  • クレジットCyclOSM v0.6 | Map data © OpenStreetMap contributors

OpenTopoMap

 OSM と SRTM(スペースシャトル立体地形データ)を統合して、立体的なマップを作るプロジェクトです。表記法はドイツやフランスの公的地図 TK50TOP25 に準ずるものとなっています。

図3. OpenTopoMap
© OpenStreetMap contributions, SRTM | map style: Ⓒ OpenTopoMap
  • タイルURL:https://{s}.tile.opentopomap.org/{z}/{x}/{y}.png(a,b,c のタイルサーバーがある。サーバー a の場合、http://a.tile.opentopomap.org/ と指定する。)
  • ライセンス:CC-BY-SA(配布時には著作権者の表示を要求し、改変した作品についても、元の著作権を継承する。参考
  • クレジット:© OpenStreetMap contributors, SRTM | map style: Ⓒ OpenTopoMap

その他

 OSM-monochrome や OSM.jpWikipedia maps のマップタイル等もありますが、著作権不明の為割愛します。

 また、Stamen Design も最近(2023/7/31)から有償化されてしまいましたが、ライセンス的にはオープンデータになるので、Stamen のサーバーにアクセスしさえしなければ(自分のサーバーにマップデータを保存しておくならば)、特に問題はなさそうです。

 登録制にはなりますが、MapboxCARTO, Thunderforest も魅力的なマップタイルを提供しているので、安定した動作が必要な場合はそういったサービスを利用するのが良いかもしれません。結構サーバーの速度で読み込み速度が変わるので(OSM France や OpenTopoMap はちょっと遅い)。

国土地理院

 国土交通省が提供するマップタイル。基本的に出典を記載すれば商用利用も可能ですが、一部の場合に限り(コンテンツのメインが地図となる場合など)利用申請が必要です(参考)。
 国土地理院のサーバーにアクセスして、リアルタイムで地図を更新する場合は申請不要です。出典もリンク付きで「国土地理院」と記載するだけで良さそうです。

標準地図

 オーソドックスな地理院地図。ズームレベルによって、データの提供元が異なります。

図7. 地理院地図(標準)
出典:国土地理院ウェブサイト
  • タイルURL:https://cyberjapandata.gsi.go.jp/xyz/std/{z}/{x}/{y}.png
  • クレジット国土地理院

※「The bathymetric contours are derived from those contained within the GEBCO Digital Atlas, published by the BODC on behalf of IOC and IHO (2003) (https://www.gebco.net)
海上保安庁許可第292502号(水路業務法第25条に基づく類似刊行物)」
Shoreline data is derived from: United States. National Imagery and Mapping Agency. “Vector Map Level 0 (VMAP0).” Bethesda, MD: Denver, CO: The Agency; USGS Information Services, 1997.

淡色地図

 淡色の地理院地図。ズームレベルによって、データの提供元が異なります。

図8. 地理院地図(淡色)
出典:国土地理院ウェブサイト
  • タイルURL:https://cyberjapandata.gsi.go.jp/xyz/pale/{z}/{x}/{y}.png
  • クレジット国土地理院

Shoreline data is derived from: United States. National Imagery and Mapping Agency. “Vector Map Level 0 (VMAP0).” Bethesda, MD: Denver, CO: The Agency; USGS Information Services, 1997.

写真

 衛星画像。ズームレベルによって、データの提供元が異なっていて、広域のものは NASA から提供を受けているようです。

図9. 地理院地図(写真)
出典:国土地理院ウェブサイト
  • タイルURL:https://cyberjapandata.gsi.go.jp/xyz/seamlessphoto/{z}/{x}/{y}.jpg
  • クレジット国土地理院

Images on 世界衛星モザイク画像 obtained from site https://lpdaac.usgs.gov/data_access maintained by the NASA Land Processes Distributed Active Archive Center (LP DAAC), USGS/Earth Resources Observation and Science (EROS) Center, Sioux Falls, South Dakota, (Year). Source of image data product.

ちょっと宣伝

 当サイトでは上記のマップタイルを使って、HTML/JavaScript のソースコードを自動生成できるようなフォームを作っています。気になる方は、トップページ もしくは「【Leaflet】埋め込み地図を表示させる方法」をご覧になってください。
 また、当サイト(DrawTrail)と連携している Android の GPS ロガーアプリもダウンロードできます( Android4.1 からAndroid13 に対応しています)。ダウンロード/使い方はこちら。ソースコードも公開しているので、気になる方は「【osmdroid】Android で GPS ロガーを自作する(Java)」のページをご覧になってください。

 

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